よく決算期ギリギリになって節税と言えるのか、強引な手法で利益を圧縮しようと奮闘する経営者がいます。
逆に、決算期に棚卸を調整して利益を水増ししたり、架空売上を計上して利益を上げようとする経営者もいます。
善悪は別として、なぜそんなに決算期直前になって慌てたり、
決算期が過ぎた後に税理士の先生に無理をお願いしたりするのでしょうか。
原因は期中の経営数値の管理における、バランス感覚の欠如にあります。
中小企業の経営者は基本的に、
【1】 収支:(いくら儲かるのか = いくら税金を払うのか)
【2】 キャッシュフロー:(手元にいくら資金が残るのか = 資金繰りが回るのか)
毎月、この【1】、【2】の数字の実績管理と予想を行いつつ、
【3】 銀行:銀行から借入しやすい決算数字に着地させる
【4】 目標:会社の売上・利益目標を達成出来る数字に着地させること
【3】、【4】をきっちりおさえてなければいけません。
社長の仕事はいわばパイロットのようなもの。毎月【1】(収支)と【2】(キャッシュフロー)の2つの操縦桿を管理し、【3】(銀行の反応、動向)と【4】(会社の目標)のレーダーを見ながら、会社という機体のバランスを保って大空を飛行する事です。
しかしこれは、一番難しいことなのかもしれません。
日本の中小企業は法人税率が高い事もあり「儲けすぎると税金をがっぽり持って行かれる」ために、せっかく経費節減して利益を出しても「意味がない」という感情が生まれがちです。
かと言って、従業員もたくさん雇って経費をどんどんかけた結果、赤字になるなどして、収支のバランス(【1】)が崩れれば今度は銀行が相手をしてくれません。こうなると資金繰り(【2】)が不安になってきます。すると銀行の好むような決算内容に着地させる(【3】)ことも、会社の中期計画で定めた営業目標の達成(【4】)も難しくなってくるのです。
そしてひとたびこれら(【1】〜【4】)のバランスが崩れると、途端に地面に落下してバラバラ...、つまり企業の経営が立ち行かなくなる可能性が大いにあるのです。
パイロットのように"2つの操縦桿と2つのレーダーを使ってバランスを取る"という感覚をぜひ掴んで頂いて毎年の決算期に無事、会社を目的地へと着陸させて下さい。
☆本日の黄金の法則☆
経営者はパイロット、操縦上手が、経営上手!
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